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Eisen's Corner
コラム編
食品添加物削減の運動を!
2007.02.15

食品添加物の元トップセールスマン、安部司氏が、テレビで見せた実験や講演をご覧になった方も多いと思う。我が家でも、近くの市民会館での講演会等から、「知れば怖くて食べられない食品製造の舞台裏」を知り、娘の為に自家製造の味噌や、畑から取れたばかりの無農薬野菜、生協の無添加食品等、比較的添加物摂取の少ない生活をしている。それでも、ドレッシングを始めとして結果的には毎日かなり多くの添加物を食べさせられているのが実情である。(もしかしたら、先の見えた私のさらなる短命を狙い、意図的に食べさせられている可能性もある。ご同僚ご用心。) 添加物の話は消費生活アドになる時の講座知識しかなかったが、同氏が書かれた「食品の裏側」を読んで内情をしり、改めて愕然とした。

ご存知の様に、添加物は、見た目、食感を良くし、保存期間を長くする、料理の手間を省く等、様々な効能がある。今や添加物無しの食品は殆ど皆無である。又、添加物のカタカナ表記で返ってある種の効能さえ期待する様な現状である。また、行政により、添加物の表示義務等もあり、ある程度の改善が見られている。しかし、添加物の規制は人体が摂取出来る総量を規制すると言う意図の基には造られていない。その上、摂取総量や複合汚染と共に、次世代/次次世代等への汚染の蓄積・継承、即ちどの世代に深刻な影響が現れるかは全く不明であり、危険度の推定が難しい。毎日限度以上の添加物を食べさせられ、アトピーや不妊症、生殖系への影響や様々な病気の原因と成っている可能性も否定出来ない。このコラムで、山縣さんが農薬のポジティブリストの話を書かれており、農薬の怖い現実があるが、添加物は直接摂取の食べるものである為、もしかすると添加物の方がより恐ろしい問題であるかも知れない。

しかも、添加物の表示方式は、中身の詳細な記載をしなくても済むような一括表示が許される等、非常に企業よりであり、消費者に判りにくい。消費者が摂取総量を計算したくても計算出来ない状況にある。

*製造工場の社員は、絶対に自社製品を購入しない程、製造現場では怖いものを作っている。
*販売の場では消費者は特売、安売り等で、品質より価格の安いものに飛びついている。

この相反する消費者行動の違いの原因は下記に纏められる。

① 添加物の副作用が明確になってない。危険性が消費者に伝わっていない。
② 添加物の表示があっても、摂取総量が判らず、実際の影響が判らない。即、影響が出ない。
③ 無添加又は必要最低限度の添加物食品を選ぶ事が非常に難しい。あっても極端に割高。

この為、特売品等少しでも安いものを購入したい消費者は結果的に添加物の多いものを買ってしまう。
しかも、添加物の影響等の検証をしようとしても、殆ど不可能で、何か言っても犬の遠吠えの様な感じにしかならず、利益第一主義の企業には何の影響も与えない。本当は「既に遅し。人類は滅亡に至る方向に向かっている」可能性さえあるのに。

現状を打破する為には、「購買行動を左右させる為の添加物の危険性の認知度向上」が尤も効果的である。それには、安倍さんの様な講演会をあちこちでするのが一つの方法であろう。同氏の本や講演会は客観的に事実を述べているだけで、押し付けが少ない為、何処からも歓迎されている様である。しかしこれはタレント性も必要だし、専門性も必要。もう一つは、我々消費生活アドの様なグループが行政/企業/消費者に対し、
①危険度の研究の促進 
②総量規制の為のガイドライン作成 
③表示方式の改善
(ICタグ活用による、添加物総量の自働計算等を含む) 
④添加物問題のアピール 
等、全体的な取り組みを行うことではないか。
先日の納豆問題でも明らかになった様に、消費者は情報に飢えており、非常に敏感に反応する。むやみに危険性をあおる事は避けるべきであるが、添加物の使用を出来る限り削減させるべく、消費者にアピールし、添加物の多い商品が売れなくなれば、企業も対策を考えざるを得なくなる。我々個人としては非常に非力ではあるが、纏まればそれなりの力、影響力が作れる。特定のある会社を非難するのではなく、消費者の食生活、購買行動への影響への大きな動きを作り出し、行政/企業/消費者に対し変化を与える事は、消費生活アドに求められている活動の最重要事項ではなかろうか。同氏の活動や情報を基に、次の活動のステップを模索すべき時期と思うが如何であろうか。

参考: つながるいのち講演会 安部司 in いわき 「食品の裏側」

     http://www.h5.dion.ne.jp/~ginpai/hidemusu/kiroku/060402abe.html     

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