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Eisen's Corner
コラム編

「崔宗宝さんの歌と木曽真奈美さんの指」
2009年2月16日 渡部英宣
2月16日、崔宗宝さん全国100回コンサートの第3回めが千葉市生涯学習センターホールで行なわれた。素晴らしいバリトンの独唱と、ピアノ伴奏の木曽真奈美さんにすっかり魅せられてしまった。

第一部 「日本の歌」は、芸大名誉教授の三林輝夫氏(テノール歌手)によるお話でスタート。
「平城山」は、へいじょうざんではなく、ならやまと読むのですよ!とか、「初恋」の舞台は? 「城ヶ島の雨」の利休ねずみとはどんなねずみか?とか、出船の情景描写、等等、それぞれの歌にちなんだ面白い解説であった。
かなり知っている話であっても、上手い人の語りは、筋を知っている落語を聞く面白さと同じ効果がある。さすがテナーの芸大教授である。語りの合間にさりげなく口ずさむメロディーも良い声。夫々の説明もとてもうまく、その辺の落語家・講談師よりよっほどうまいしゃべりである。聞いているだけで情景が目に浮かぶ。聞きほれてしまった。その昔、音楽の泉の徳川夢声さんの語りや、題名のない音楽会の黛敏郎さんの語りも凄かったが、三林さんの語りも非常に優れていると感じた。

その三林教授が、「私の背が彼ほど高かったら世界は変わっていただろうに」と言わしめた程背の高い、イケメンの崔さんと、若くしてデビューした最高に美しいピアニス木曽さんが紹介された。出てきた木曽真奈美さんの美しさに、隣のおば様が、「まあ、綺麗、まるでお人形さんの様」と何度も感嘆の声を上げていた。
美女の産地で有名なコロンビアを始め世界中の美女を見て来た?Eisenにも、正直ビックリするほどの綺麗さである。顔だけでなく、容姿、醸し出す知的な立ち居振る舞いが、美を感じさせる。

(掲載の写真は事前に撮影許可取得のもの。)

崔さんの歌は、以前は少し日本語の自然さに気になったところがあったが、今回は殆ど誹の打ち所がない。自信に満ちて、聞いていて不安がなかった。カメラのフラッシュで歌詞が抜け、最初からやり直すハプニングもあったが、堂々としており、一番を二度も聞けて得したと思わせる位に余裕が出てきていた。

「中国の歌」は、木曽さんのピアノソロに始まった。「彩雲追月」と言う、本来なら二胡と揚琴等とのコラボが欲しい曲であるが、軽やかなキータッチとムード溢れる演奏にうっとりと聞きほれてしまった。音楽を見せるものに仕上げて、余裕のある綺麗な演奏であった。

続く崔さんの歌は、崔さん自身で曲の解説をされたが、出来れば一曲づつの解説の方が更に理解が出来た可能性がある。中国語の歌詞が付いていた為、どこを歌っているかわかり、日本語訳もあった為理解はし易かった。この様なサービスは本当にあり難い。中国語初心者にとってはピンイン(四声を含んだ発音記号)があると更に良い。将来の研究課題であろう。

第二部 「日本の歌」(山田耕作)は、再度、三林教授の解説で始まったが、崔さんのトチリを面白くフォローしてくれた。歌手の大変さや、ちょっとしたハプニングで頭の中が真っ白になり、歌詞を忘れてしまう等が起きる様を笑いを取りながらスマートに説明してくれた。大漁節を鯨、クジラ、ク〜ジラ、ク〜ジラと歌ったと言う逸話と歌声には笑ってしまったが(もしかしてご自分?だったりして)、そんな話の中から、フラッシュ撮影禁止と言う硬い話をせずに、聴衆のマナーへの協力を思わせてしまう素晴らしい話芸に脱帽であった。

続く曲目の解説も、短時間ながら我々の一般教養不足をあちこちで刺激する心憎いしゃべりであった。憲兵に聞かれた時、山田公爵と答えた等の落ちの入った噺に、さすが芸大教授であると思った。専門は話芸だったりして、、、(これは冗談)

最後の(小林秀雄)の歌4点はかなり難しい曲であるが、最後まで声量は十分にあり、手を抜かずに丁寧に歌っていた。木曽さんのピアノはかろやかであり、始終笑みを絶やさず、キータッチが歌う様に艶やかに表情を出して崔さんのソロを盛り上げていた。彼女の笑顔がリサイタルの一つの顔ではないか。最高の出来である。

アンコールも予定通り2曲やってくれたが、もう一曲サービスして欲しいと考え、更に「アンコール」、「アンコール」とEisen!  ちょっとビックリした様子であったが、快く3曲目、千の風を歌ってくれた。何事も言って見るものである。崔さん、木曽さん、ありがとう。



木曽さんに 腕を組まれて ご満悦

演奏会終了後、写真撮影にも快く付き合ってくれていた。
我々も、お願いしたが、改めてお二人の背の高さにビックリ。
木曽さんは私を隣に招き入れてくれ、腕を組んでくれたのです。これには感激しました。

しかし、この写真、やや暗く、取り直しをしようと言うことになり、もう一度取る事になったのです。
それが次の写真。残念ながら、ブレてしまっていますが、今度は私は崔さんと木曽さんの間に招き入れられ、崔さんは私の肩に手を、驚いた事に木曽さんは私の手を握ってくれました。しかも 5本の指を絡ませて。

実は私も我流ながらピアノを少し齧っているので、ピアノの難しさが良く判ります。何であんなに軽やかに、滑らかに弾けるのか?リストのラ・カンパネラ等、右手でトリルをしながら同じ右手でメロディーを弾くとか、物凄く高難度の曲を簡単に弾いてしまう大ピアニストの指を見て見たい。何が違うのか見てみたい。出来れば直接触れて見たいと常々思っていたのです。

木曽さんは私のこの様な気持ちを無意識に感じ取ったのでしょうか?本当に不思議ですが、偶然にも物凄い美女のピアニストの指に直接触れる、こんな機会が出来たのです。

天にも昇る気持ちとは将にこの様な気持ちでしょうか。
   もう (感激) 

絶世の 美女の手に触れ 感無量      お粗末。


握られた 手を洗えない と言うEisen

彼女の手は私の手より一回り大きいと感じました。
私は男性一般の手よりほんの少しですが大きい方で、開くと1オクターブ以上、9度には広がります。が彼女の手はさらに一回り大きいと感じました。そして指は長く、少し骨ばっていて、流石に天才的な、本当に練習をされているピアニストと言う感じがしまた。

凄い手を、指をもう少し長く握っていたかった。そしてその指をじっくりと見てみたかった。が、そこまで失礼は出来ませんでした。残念!


処でこの噺には落ちがあるのです。
写真の腕の組み方何となく不自然とは思いませんか?(木曽さんの腕がどこから出ているのか?)
実は彼女が指を絡ませて呉れたときは手は下に向いていたんです。それを彼女が前に出したんです。
何故?

後で考えてみたら、背が高い彼女、私の手を握ってくれていても、普通に立つと彼女の手が私の手まで届かないと感じたのではないかと思います。
その為、やさしい彼女は私の手を上に上げる様にしたのだと思いますが、彼女が私の手を掴んだ時、後ろからだったので、私の腕が彼女の腕の上側に来て、彼女が腕を上げると、私が彼女の腕を抱え込む様な不自然な格好になってしまったのです。それだけ彼女の背が高かったと言うこと。三林教授ではないですが、残念!

手繋ぎが さまになる様な 背が欲しい

天は二物を与えずとは良く言いますが、木曽さんについては神様は大きなミス?をして、五個も六個も素晴らしいものを与えているのではないかと思います。優れた芸術的才能、容姿端麗、美的センスの良さ、背の高さ、頭の良さ、心の優しさ、等々。これからの彼女の活躍に期待したいし、又、応援したいと思います。

そんな訳で、今回の崔さんのリサイタルは十二分に楽しめました。又次回を楽しみにしています。崔さん、木曽さんのペアは非情に良いと感じました。又、三林名誉教授の語りも本当に楽しめました。全国100回コンサートの達成を必ずやり遂げて欲しいと思います。

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